互いの吐息が響いた。 それは恋人同士でなければ分かり合えないようなささやかな吐息だったが、彼らには十分過ぎる程の熱い息になる。 「愛してる・・・。」 今まで何回言ってきただろうか。 言う度に強くなる言葉を、女はくちづけの合間に、喘ぎと溜息と共に小さく呟いた。 「愛してる、全部、好き・・・。」 男は馴れた。 女が与えた愛のある日々は、彼に言葉を与えたのだ。 「愛してる・・。愛してる、ずっと・・・!」 男の声に、女は優しい瞳で微笑んだ。 そして小さな誘惑。 「もっと・・・頂戴。」 「・・・ああ。」 2人は再び声を無くした。 男は気がついた。 女は男の体に火をつけた。 はじめの長い接触では遠くにあった彼の炎は、今、もう目の前である。 これが欲しかったのか? つれない肉体から、ささやかな灯火から大きな炎まで引き出す、その行為が? 女の応えはまだ無い。 それは、炎の中に飲み込まれるかのように彼の中に吸い込まれていった。 刻は動かない。 だが、炎は燃えつづけていた。 大きく成長しながら。 (おわり) |
あー、改めて見ると全然内容ないよね(笑)
・・・じゃ!(すたたたた!)
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