**maniac+complex**
VOTOMS WONDERLND
「装甲騎兵ボトムズ
俺的図書館」

オリジナル小説
「月光」
P4

月光 月光ー海底


「ちょっと遠いんだって。もう少し歩いてね。」
少し先を歩いていた彼女はスピードを緩めて彼の隣に並んだ。
「あの林の所。あそこの隙間に下が見えるんだって。」
彼女の指差す先には大きな林があった。
敷地を取り囲んでいる木々である。ここからは何も見えない。
「した?」
彼はその言葉の意味が分からなかった。
「下って・・・。」
「街よ。」
彼女は当たり前のように続けた。
「街のネオンが綺麗だから一回見るといいだろうって言われたの。」
そこで歩みを止めると彼女は彼から目をそらした。
「でもあたし、元気な時の夜は大体あなたと一緒にベッドに・・・いるでしょ?そのまま疲れて寝ちゃうから機会が無くて・・・。」
そうしてちらりと彼と目を合わすとすぐに、可愛らしく小さく微笑みながら下を向いた。
そうすると彼も大抵の夜の過ごし方を思い出し、頬が熱くなる。
周りに聞こえないように声を潜めながら上から下まで互いを丹念に味わい、 行為の後の熱くてけだるい体を並べて寝入るのが彼らの最高の贅沢であった。
その時ばかりは彼も饒舌になり、彼女への愛の言葉が口から漏れる。
互いの名を呼んで今の幸せを感謝し、見つめあって恋の熱に身を委ねる。
彼らにとっての夜はそんな姿をしていた。

彼女もそれを思い出して目のやり場に困ったのか、空を見上げた。
そしてそこには光輝く月がある。青白く、眩い光が。
「何て明るいんだろう。」
彼女が言う。
「まるで・・・昼間みたいだな。」
つられて見上げた空に向かって彼も呟いた。彼のそんな言葉に彼女は笑う。
「・・・どうしちゃったの?」
「・・・え?」
「いっつもそんなこと言った事ないのに・・・今日はあなた、なんか違うみたい。」
「いや、別に・・・。」

彼の言葉は本当に口から出ただけのものであった。
彼女の何故か楽しげな様子に押されたのだろうか。
それともこの本当に明るい光のせいなのだろうか。
「お前は・・・そう思わないのか?」
尋ねる彼に対して、だが彼女は言葉ではなくて笑顔で答えた。
次の返事を待っている彼の髪に彼女の指がかかり、その指はそのまま下降して耳たぶをそっと撫ぜる。
そのまま立ちすくむ彼の耳元に温かい言葉が吹き込まれた。
「・・・いつもより、もっと好きよ。」

そして頬に唇の感触。
彼らは確かに光に祝福されていた。
二人の目が合う。
女が微笑む。
彼女の笑顔につられて彼も微笑んだ。
それは彼女の前でしか見せない笑顔であり、恋する笑顔でもある。
それが何時にも増して輝いて見えるということは、月光は彼にも祝福を与えたということに他ならない。

そんな美しい恋人達はそしてそのまま二人で腕を絡めて歩いた。
言葉などなくとも、この腕の温度があれば、温もりさえ感じられれば。
愛し合う二人にはそれが互いの合図なのだ。




さて、いかがでしたでしょうか?
物語はさっぱり進みませんでしたね(^_^;)
でも、今回は短めに続くのです・・・(^_^;)(^_^;)

まだ大丈夫?(^_^;)
←5話もあるでよ
マニアック+コンプレックス〜ボトムズワンダーランド〜
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